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2007年04月30日

人力飛行機制作集団Coolthrust 「人力飛行機の試験飛行における安全対策について」 〜実例紹介を通じて(その1)

2005年のスカイスポーツシンポジウムでの発表原稿を元に、ブラッシュアップしたものです。

人力飛行機制作集団Coolthrust 「人力飛行機の試験飛行における安全対策について」 〜実例紹介を通じて(その1)

「テストフライトの計画」編

第1部「はじめに」

 今日、学生を中心とする多くの団体で人力飛行機の制作が行われています。その目的のほとんどは、鳥人間コンテストへの参加だと思います。昨今の大会参加機をみると、機体性能が大変向上しており、当初見られたような明らかに強度不足の機体はほとんど見られず、ポテンシャル的にはキロ単位の飛行ができるチームは何チームもあると思います。

 一方で、調整不十分なまま飛行を行っていると思われる機体もあります。今後、調整を十分に行った機体が飛距離を伸ばしていくと思いますが、調整を進めるのにはテストフライトを行うことが必要です。機体を飛行させるということは、はやり危険を伴うことであり、十分な安全への配慮が必要であることは言うまでもありません。本稿では、テストフライトを安全に進める参考としていただくため、当チームの事例を紹介します。

 なお、実際の航空業界では、国の事故調査委員会による事故調査報告書や事故に至らなかった事例(インシデント)の調査報告書が作成・公開されています。また、実際に航空機を飛ばす人々、たとえばパイロットの間でも、危険な事例についての情報交換が行われています。そのような情報交換が、今後活発になることを期待しております。

第2部「人力飛行機にとっての危険とは?」

 人力飛行機には、必ず危険が伴います。これは、スカイスポーツである以上、避けられないことです。では、その危険とは何でしょうか。特に避けなければならないものがあります。それは地上への墜落です。

 設計、製造、セッティングの不良または理解不足、あるいは気象の要素が危険につながるものと考えます。

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 鳥人間コンテストでは、最も近い陸地はせいぜい2〜300メートルの距離にあり、参加チーム全体における機体の性能向上とともに年々墜落が起こる危険は高まっていると思います。当チームでは第25回鳥人間コンテスト(2001年)において、空中分解の結果、地上ギリギリに墜落する事例を経験していますが、旋回時の強度不足はもとより、なぜ、地上に近づいてしまったのか検証しています。

 離陸時左からの風でしたが、その風により機体は陸地方向へ流されています。ビデオで検証したところ、パイロットはラダーを切り機首を左に向ける操作を行っていますが、胴体の剛性の不足のため十分な応答を得ていません。このような状況下では必要な操縦が行えない特性であったにもかかわらず、テストフライト回数が少なく、最低限、縦の操縦・安定性について、また、横は安定であることだけについてしか検証を行っていませんでした。

 なお、類似の事例としては、記憶の範囲では地上への墜落2事例、操縦不能のままの飛行継続4事例(うち1件は飛行禁止区域を飛行)があります。

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 各事例で緊急回避操作が適切にできていたのか大変疑問に思っています。本来、湖岸の回避不能、操縦不能等、危険であることが判明したならば、速やかに着水させるべきです。人力飛行機はその特性上、非常に大きな滑空比を持っており容易に高度を落とすことができません。自機の滑空性能は必ず計算して把握してください。テストフライトでも実際の鳥人間コンテストでも必ず役に立ちます。そのときのポイントはプロペラ推力を必ず加味することです。

 これらの機体はいずれも陸地まで到達できる性能を有しており、このような機体では事前のテストフライト等で十分な確認を行うことが、事故の防止に繋がると考えます。

(次回、「テストフライトの計画」編 第3部「墜落の危険を回避するには」、第4部「最後に」を、2007/5/7に掲載予定です。)

ykuni

滑空性能の計算について

かなりいい加減な仮定を持ち込んだ、ウソっぽい計算の方法について

 CT2で行った計算の方法を紹介します。 機体の緒言、降下の条件を、以下のように仮定しています。

機体重量: 902.2 [N]
主翼面積: 25.81 [m^2]
アスペクト比: 34.87
CDpmin: 0.023487
飛行機効率e: 0.9
プロペラ推力: 100[W程度](チェーンに逆のテンションがかからない回転数に調整、安全サイド)
降下時迎え角: 5[deg]

ここで、全機の揚力傾斜は翼型の揚力傾斜で代用して、

全機抗力係数CD: 0.034843
全機揚力係数CL: 1.058076
降下率ω: 0.241837
滑空速度V: 7.34376
滑空角ψ: 1.887148

であって、全機の抗力から推力分を引いてやれば、降下角0.968deg、高度1mを降下するのに59.18m、大体60mはかかることが分かります。プラットフォーム離陸時の高度損失3m程度を考慮しても、湖岸までの距離に対して相当の距離を飛んでしまうことになります。

 いくつか怪しい仮定のパラメーターはこビデオ解析と比べて検証すると良いでしょう。

 ここで、向かい風や背風がある場合の必要距離も計算しておきましょう。

(参考:航空力学の基礎(第2版) P241〜)

2007年04月29日

近況のご報告

ぼちぼち、今年の鳥人間コンテストの書類審査の結果が聞こえてくる時期となり、このページをご覧頂く方にはCTはどうするの?という疑問をお持ちだと思いますが、結論から報告差し上げると、今年CTは参加いたしません。これは、トラブルと製作進行の度合いから、参加申し込み締め切り時点で十分な安全性が確保できていないという判断に基づくものです。応援いただいている方々には大変申し訳なく思っておりますが、CT-3の製作は継続しておりいずれその成果をご報告できると思いますので、引き続きご支援のほどよろしくお願いします。

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さて、昨年12月に行った荷重試験において主桁を折損したわけですが、その後修復作業を行ってきました。その結果、去る3月上旬、桁の製造上の問題点を修正の上、再度荷重試験を実施いたしました。1G荷重(巡航飛行時に相当)を作用させる試験は問題ありませんでしたが、1.2G(に相当)を作用させる試験中、折しも強まってきた横風の影響から左右荷重のアンバランスを生じ、再度桁を折損させるトラブルに至りました。再製作期間を考慮した結果、桁の性能が十分に確認できない状況では、機体特性の確認も不十分とならざるを得ず、CTとしては参加応募自体を見送る判断をいたしました。

現在、破壊に至った状況の分析が完了し、再製作へ向けて準備が進んでいるところです。

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明るいニュースもひとつ。CTはこの春から複数の新たなメンバーを迎えています。CTの特徴のひとつは"混血"。
ますます磨きがかかって面白くなりそうです。