2001年鳥人間コンテストにおける幣チームのフライトの解説です。
プラットフォームに上がったのは朝7時過ぎ。ややプラットフォーム進行方向の右から風がありました。機体のフライト前準備を進めていきます。この間,パイロットはテレビ局の取材を受け,女性タレントを突き飛ばしたりしていました。

準備完了。サポート要員を残しスタッフが機体から離れます。大会スタッフから飛行許可を示す「ゲート・オープン」の声がかかります。機体を速やかに発進させなければいけません。
テイクオフ。機体は安定してプラットフォームを離れました。離床後の沈み込みもほとんどありません。この段階で機首はやや左向き,やや機首を上げ気味に高度を上げていきます。機首水平に戻し巡航へ入ります。順調です。
ところが,プラットフォームから200m弱程度進んだところで,。左からの風を受けどんどん右の方へ押し流されていってしまいます。機種は右の方に向き,機体の進行方向は機首方向よりさらに右です。進行方向には彦根プリンスがあります。高度は10m程度のままです。
地上サポート,パワーオフによる高度処理*は困難と判断。左旋回による回避をアドバイスします。数回ラダーを打ちますが,機体の方向は変わりません。
*推力を下げ,自由落下することです。もしも頭を下げて高度を下げると,機体は重力で加速します。加速した結果揚力が増加し,高度が下がらない場合があります。また,機体の構造的な限界を超える恐れもあります。
パイロットは,機体の地上への接近を止められないと判断,左方向へ急舵しました。
機体は大きなロールを伴う左旋回を開始。そのとき,旋回の荷重に耐えられず左翼端から約5mの部分で桁が破壊。折れた翼はゆっくり反り上がり,主翼の上に倒れていきます。機体は折れた部分を中心に横回転して,落ちていきました。

幸いにも機体は水上へ落下。パイロットは無傷でしたが,グランドクルーは蒼白でした。
飛行記録629.04m。機体とパイロットのポテンシャルからすれば,満足のいく結果ではありません。しかしむしろこのような結果となったことで,我々はさらに真摯な態度でフライトに臨むことができ,より安全によりすばらしいフライトを実現できる機会を得たと信じています。
